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米、インドに軸足鮮明:2006年3月5日
【ハイデラバード(インド南部)=藤本欣也】米国の大統領としては六年ぶりとなるブッシュ大統領のインド、パキスタン訪問の主要日程が終わった。今回の歴訪を通じ、対テロ戦の一翼を担う非民主的政権のパキスタンから、世界最大の民主主義国であるインドに軸足を移そうとする米国の外交スタンスが浮き彫りになったといえる。
ブッシュ大統領は一日夜、アフガニスタンからニューデリー入りし、三日夜まで丸二日、インドに滞在した。一方のパキスタンはわずか一日の駆け足の日程だった。
滞在内容をみればその差は歴然だ。インドでは民生用核協力で「歴史的合意」(ブッシュ大統領)を果たし、米国のインド政策について演説したほか、ハイテク都市、ハイデラバードに移動し企業家と意見交換した。パキスタンでは首脳会談が行われたぐらいで、特筆する成果もなかった。
もちろんインド経済の重要度や、パキスタンの警護面の不安が勘案された上での日程だが、そこにはブッシュ政権の外交姿勢も反映されている。
一九七九年の旧ソ連のアフガニスタン侵攻後、隣接するパキスタンは米国の冷戦外交において最重要国の一つだった。そして二〇〇一年の米中枢同時テロとアフガン戦争以降は、テロとの戦いでの最前線となった。しかしアフガンに民主政権が樹立されると、「民主主義の普及」を政権の使命に掲げるブッシュ大統領にとって、軍事主導型のパキスタンよりも、民主国家インドに地域の民主化支援への期待が高まるのは自然な流れである。
実は、二〇〇〇年のクリントン前大統領の印パ訪問でも日程の差が問題となった。当時、パキスタン政府は「インドには五日滞在したのにわが国にはたったの五時間か」と悔しがったとされる。
パキスタン側にはその後の六年間、テロとの戦いで米国に貢献してきたとの自負がある。今回のブッシュ大統領の歴訪について、パキスタン側が「差が縮まった」と受け取るのか、「不当な扱いのままだ」と対米不満を抱くかで、南アジア情勢も微妙に変わってくる。
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